企業の休廃業を「隠れ倒産」と呼ぶのはいかがなものか。

毎日新聞の記事で、ヤフーニュースに掲載された記事に、次のようなものがありました。

「<企業の休廃業>中小の“隠れ倒産”10年で倍増」(5月26日(月)7時0分配信)

以下、冒頭部分の引用です。

 アベノミクスによる景気回復基調を背景に企業の倒産件数が22年ぶりの低水準となる一方で、企業が余力を残しながら事業を断念し、休廃業するケースが急増している。後継者難や経営の先行き懸念が主因で、東京商工リサーチによると、2013年の休廃業(解散も含む)数は2万8943件で過去10年で2倍に急増した。債務超過などで倒産に至る前に自主的に会社を整理するため、“隠れ倒産”とも呼ばれる休廃業の急増は、景気回復の波に乗り切れない中小零細企業の経営の厳しさを浮き彫りにしている。【宮崎泰宏、藤好陽太郎】

本文には、廃業に至った事例などがつらつらと書かれている形ですので、ほぼ上記の内容が記事の肝と言ってよさそうです。

倒産とは、企業が経営的・資金繰り的に行き詰まって、借金を返せなくなり、破綻に至ることです。その意味では、廃業概念のうちの悲惨な一類型と云えます。
記事に挙げられている廃業は、資産超過(財産を処分すれば、借金がすべて返せる状態)ですから、企業を職業人にたとえれば、「引退」に近しい状態です。それを隠れ倒産と呼ぶのは、あまりにもひどい話だと考えます。

職業人にたとえる流れで云いますと、倒産というのは、借金苦で「破産」をせざるを得ない状態だと捉えられます。対して、休廃業というのは、何の借金もなく「引退」する状態となります。
引退して悠々自適の生活を選ぶ人は、隠れ破産者でしょうか。そうではないですよね。

もちろん、法人である企業を自然人にたとえて、すべてが説明できるわけではありませんが、従業員に退職金を支払っての休廃業まで、すべてを隠れ倒産とする決めつけは、あまりにも不当だと思えます。

起業の出口戦略・突発的な場合

・突発的承継 ……相続人がどう考えるか。
 順調に事業を運営しているときに、急に事故などで死亡してしまうケースも、残念なことですがあり得ます。
 個人事業としてやっていた場合は、事業資金はあくまでも個人の資産なわけですから、それを受け継いだ家族などの相続人が、決めていくことになります。商店などであれば、継続するケースも多いでしょうし、特殊技能の必要な事業を単独で行っていた場合でしたら、廃業せざるをえなくなるかもしれません。
 株式会社の場合は、株主としての所有と経営は分離されているのが建前ですので、株式が相続されたあと、株主総会が開かれ、新経営陣をどのような布陣にするかを含め、決定していくことになります。
 ただ、株式の相続税は、特に資産の大きな会社ですと多額になってしまいますので、株式以外の遺産の状況によっては、引き継いでほしいと思っている人に渡らない可能性もあります。心配な場合は何らかの手当て(先に配分しておくとか、相続税支払いに必要な金融資産を確保しておく等)をしておかれると安心と云えそうです。
 合同会社については……、社員としての地位は相続の対象ではありません(定款で承継の定めをすることも可能)ので、残った社員の方々で運営されることになります。あれ? 一人だけの社員が死去した場合、どうなるんでしょう? あー、検索してみたら、どうやら利害関係人の申し立てにより、清算が行われるという流れになるようです。
 利害関係人がいない、あるいは利害関係人が申し立てをしなかったら、幽霊会社として、存在(?)しつづけることになる模様です。それもまた、詩的な出口と云えるのかもしれません。

起業の出口戦略・破綻に陥る場合

・破綻に陥る場合 ……会社倒産
 回避したい状態ですが、どうにもならず、ハードランディングに陥ることもあるかと思われます。
 どうにもならなくなりましたら、夜逃げや自殺などを考えられるよりも、倒産手続きをされるのがよろしいかと思います。そのような場合、経営者が連帯保証をしていれば、債務は残ってしまいます。なお、個人の債務については、自己破産という選択肢もあります。
 自己破産してしまうと、持ち家などの個人資産も失ってしまいますが、身ぐるみはがされるわけではなく、また、就職やパートタイムの仕事などをすることもでき、さらには会社を新たに作ることも可能です。
 ただ、こちらについては、すみません、筆者は経験したことがありませんので、専門のサイトをご覧になることをおすすめいたします。

起業の出口戦略・ジリ貧状態の場合

・ジリ貧状態の場合 ……事業売却・解散・廃業
 残念ながらジリ貧状態に陥り、回復が見込めないというケースもありうるでしょう。そんな時、最後まであがくのが美徳とされる風潮もありますが、いわゆるハードランディングとなってしまいますと、取引先や従業員に迷惑がかかってしまいかねません。
 そう考えますと、早めに会社をたたむというのも、一つの選択肢となります。

好調な事業だけでも売却するなどの手当てをしたうえで、解散・廃業すれば、スムーズに新たな生活へと移行できます。(負債が残る場合はやや悩ましいのですが)
無事に整理できれば、これまでの経験を生かしたうえで、もう一旗あげることも可能です。見極め時は、もちろんむずかしいですけれど。

 一方で、別法人を起こして、事業を移管して元の会社を破綻させる、というやや過激に映る手法もあるようですが、検討される場合には、専門の方のアドバイスを受けるようおすすめいたします。

 なお、事実上の休眠状態にしておくというのも、本来だとあまりおすすめすべきではないのでしょうが、選択肢となります。

起業の出口戦略・成功・中立状態の場合

・成功、中立状態の場合 ……事業承継、事業売却等
 事業は順調だけれど、上場というほどではない。あるいは、いい時期もあれば悪い時期もあってトータルではとんとん程度だけれど、従業員に給料は払えている、という状態で、そろそろリタイアしたいと考える時機が訪れた場合です。
 息子さん、娘さんや、あるいは従業員、役員のだれかでも、後継者にしたいと思える相手がいらっしゃるのなら、事業承継をどうやっていくか、考える必要があります。
 合同会社については、社員(出資者)全員で考えていく形になりますが、それぞれ引退したいと考えるタイミングは異なるでしょうから、前もって相談しておく形がよろしいでしょう。
 株式会社の場合、株主としての所有と経営とは異なりますので、経営は後継者に譲り渡して、株式の過半は自分で所有するという選択肢もあります。
 ただ、いずれはご自身が亡くなられるときが訪れるわけで、その際に株式を保有したままですと、相続によって配偶者や親族にわたることになります。会社の資産額が大きい場合は、相続の際に多額の相続税がかかり、相続人に思わぬ負担が生じてしまい、人手に渡す羽目に陥るケースも考えられます。
 できることなら、そうならないように、事前に株式の移行を済ませておかれますと、二代目、三代目以降の継承者らが株主対応で苦労することを防げるものと思います。
 後継者が見つからない場合、自らの手で解散するというのも一つの考え方ですが、従業員がいる場合には、なかなか取りづらい選択となります。そのようなケースでは、会社丸ごと、あるいは手掛けている事業ごとに、従業員も含めて売却するという考え方もあります。
 売却先は、同業者でもよいでしょうし、最近ではそのような小規模M&Aを手掛ける業者さんもいらっしゃるので、探して相談されてみるのもよいかもしれません。その事業と相乗効果がある業種の企業や、手掛けている地域に進出を目論む、他の地域の同業者といった買い手が見つかるかもしれません。

起業の出口戦略・大成功した場合

・大成功した場合 ……事業売却、上場等
 これは、もっとも成功したパターンとなります。事業順調で、人もどんどん増やし、会社が成長していく……、そうありたいものですね。
 どこかから買収したいという申し出があったり、上場したりというのが、一つのわかりやすいゴールとなるでしょう。上場をしても、経営を続けることは可能です。ただ、所有という面では、比率の話はありますが、もちろん全株保有のままでは上場できませんので、一部を手放す形になります。
 すみません、筆者は上場や事業売却につきましては未経験でして、実体験として語ることはできない状態です。そのような状態になられたら、きっと周囲にアドバイザー的な方も存在されているとは思いますが、情報収集には専門のサイトをご覧いただければ。

経理について(個人事業)

 個人事業ということは、個人の範疇で事業を行う形ですので、個人の確定申告として申告する形となります。
 家計との切り分けとしましては、事業資金として管理する必要はありますが、事業主貸・事業主借という形での「出し入れ」に制限がありませんので、さほど気にされなくてもよいかもしれません。
 経理につきましては、まず、青色申告か白色申告かを選択する必要があります。白色の場合は簡素な経理でかまわないのですが、青色の場合には、まとまった額の控除が受けられる代わりに、きっちりとした経理をする必要があります。
 経理と聞くと、アレルギー反応を起こされる方もいらっしゃるかもしれませんが、税理士さんに依頼したり、経理専任スタッフを置いたりすると、大きくコストが変わってきます。
 ご自身かお身内で対応されると、メリットは大きそうです。一方で、余裕がある状況だったり、どうにも回避されたい場合には、専門要員を確保するのももちろん選択肢となります。

 業務ソフトの弥生では、個人事業向けソフトとして「弥生の青色申告」というシリーズが設定されています。
 そちらでは、無料体験版も用意されているそうです。

 弥生の青色申告・無料体験版:
 まずはお試し!弥生シリーズ無料体験版ダウンロードはこちら

 弥生の青色申告・製品版(アマゾン):
 アマゾンでの弥生の青色申告検索結果
 

個人事業主としての開業手続き

 開業した場合、税務署への開業届と、青色申告を行う場合はそちらの書類も必要となります。
 青色申告は、きっちりと経理処理をする必要がある代わりに、まとまった額の控除を受けられるという制度です。会計ソフトを使ってパソコンで記帳するのであれば、申請しておきましょう。

決算公告について(法人・株式会社)

 株式会社の場合は、決算内容を公開する、決算公告を行う必要があります。法人であっても、合同会社の場合は決算公告の義務はありません。
 決算公告というと、新聞(日刊紙)や官報に掲載というイメージがあるかもしれませんが、ネット上への掲載(5年間)で代替できます。
 電磁的掲載を選択する場合、自社のホームページに掲載することも可能ですし、各社の決算公告をまとめて掲載するサービスのサイトに載せてもらうことも可能(ただし、掲載先を変更登記する必要ありとのこと)です。
 自社のサイトに掲載する場合は、お金はかかりませんが、訪問者さんが決算状況を閲覧できるということになります。黒字であれ赤字であれ、懐事情を容易に把握されてしまうわけで、いい面と悪い面がありそうです。
 あまり人目に触れないようにと考えられる場合には、昔ながらの官報(二段で5万円程度)というのも一つの選択肢かもしれません。