記事カテゴリー: 事業選択

もちろん、新たな分野でも

 前節で、「できれば慣れた分野で」とは書きましたが、業種的に嫌気がさしてしまった場合や、会社員生活を経ずに起業される場合は、もちろん初めての分野を選ぶことになります。
 手に職があったり、やりたい事業が明確にあったりするとよいのでしょうが、そういう当てはないけれど、とにかく起業したいという場合には、お好みの方面のフランチャイズチェーンに加盟するといった方法もあります。
 独立支援系のサイトとして、アントレネット、フランチャイズ比較ネットといったものがありますので、覗いてみるのもよいかもしれません。

●アントレネット:
アントレnet
 エリア・業種・独立スタイルから検索することが可能となっています。
 業種としては、コンビニを含めた小売り、飲食・宅配系、塾などの教育系、エステ・医療系、介護系、ネット・情報系、各種サービスなどが大きく打ち出されています。

●フランチャイズ比較ネット:
フランチャイズの窓口で独立開業
 予算・業種・エリアからの検索が可能となっています。
 業種としては、小売業としてコンビニ、自動車関連、オフィス文具、リサイクルショップなど、サービス業として個別指導塾、学習塾、リフォーム、介護、福祉、美容など、飲食業として居酒屋、宅配、テイクアウト、弁当、ラーメン、カフェなどが挙げられています。

できれば慣れた分野で

 独立・起業を考えられる場合、すでに社会で働いておられるケースも多いでしょう。そうであれば、これまでの経験が活かせる分野で事業を組み立てると、成功の確率を高められると思われます。
 もちろん、それまで在籍していた企業とまったく同じ事業をされる場合、競業禁止的なトラブルが起こりかねませんので、可能であれば友好的関係を築かれた方がよろしいかと。
 なお、会社員としてやっていたことと同じ事業を選択する場合、競業的な問題がなかったとしましても、特に大手企業に勤められていた場合、会社の看板がなくなった状態での事業遂行となりますので、それまでよりも受注ができにくくなったり、想定した売り上げが出なかったり、という状況になるとも聞きます。
 また、かつての取引先の担当者さんに営業をかける際にも、独立前には会社同士という意識での付き合いだった可能性がありますので、まったく同じ人間関係ではない(端的に云うと、冷たくあしらわれる)ケースもあるかもしれません。
 このあたりは、どれだけ生身の個人としての人間関係が築けていたかということになりますが、覚悟しておいた方が、そうなってしまった場合のショックが軽く済むかと。
 
 なお、繰り返しになってしまいますが、慣れた分野での起業であっても、売り上げ見込みや、かかる費用の予測は大きくぶれる可能性があります。いい方向にぶれる分には問題がないのですが、下にぶれるとピンチに陥りかねませんので、いくつかの別事業を手掛けるか、少なくとも検討は進めておかれることをおすすめいたします。

単発収益事業と継続収益事業

 よく、フロー型経営・ストック型経営というような言い方がされますが、近しい概念として、さまざまな事業を単発収益事業と継続収益事業とに分類することができそうです。
 たとえば、マンションを所有して家賃・テナント料収入を得るのは継続収益型で、不動産仲介業者として物件を紹介し、仲介料を得るのは単発収益型ということになります。

 厳密に分けていくと、両方の要素が備わった事業も多くあります。たとえば、普通に考えると単発収益事業に分類されるホームページの受注制作も、新規設置については単発ですが、運用を請け負ったり、サーバー使用料をもらったりとなれば、その部分は継続型と云えます。

 厳密な分類はともあれ、両方を組み合わせる形ですと、安定性と発展性を兼ね備えられそうです。もちろん、バランスにはお好みがあるでしょうし、好み通りにできるわけではありませんけれど、事業立案の際には頭の片隅にこの分類を置いておくとよいかもしれません。

事業の選択

 事業として何を行うかは、慎重に検討する必要があります。
 すでに副業として軌道に乗っていて、その事業を起業の中心に据えるのなら、あまり心配することはありません。
 ですが、新たに始める事業の場合、儲けがどれくらいになるか、コストがどれくらいかかるかは、なかなかに予想はむずかしいものとなります。
 事前に立てた事業計画を後から見返すと、まったく甘い想定だった、というのは、残念ながらよくある話となります。筆者の場合も、当初想定していた事業は恥ずかしながらまったくの空振りで、現在の主力事業はバックアップとして想定していたものでした。
 どれだけ盤石に思える事業計画が立てられたとしても、できればサブ扱いの事業を二つ三つ考えておいた方がよいかもしれません。

 また、いわゆる出口戦略についても、大成功の場合はゆっくり考えればよいのでしょうけれど、停滞してしまったり、傷口が広がっていくケースに陥った場合の撤退手法は、検討しておくとよいと思います。杞憂に終われば、笑い話にできますし。

 次節以降で、よりくわしく触れていきます。